りらのひとりごと

機械学習とかCSとかする女子大生のブログ

Google Women Techmakers Scholarshipってなあに?

こんにちは,りらです.

この記事は情報系を勉強する女子大生 Advent Calendar 2017 - Qiitaの10日目として書かれています.これを機にノリでブログを開設してみました.よろしくです.

さて,今回は表題のとおりGoogle Women Techmakers Scholarshipのお話をします.私は今年の奨学生で,とっても良い経験だったので,その経験をシェアしたいと思います.毎年スケジュールや内容は変わるみたいであくまで私自身の経験ですが,何かの参考になれば幸いです.

Google Women Techmakers Scholarshipとは?


まず, Google Women Techmakersとは,ホームページによると

Google's Women Techmakers program provides visibility, community, and resources for women in technology. 

とあります.Googleが主催する,テクノロジー分野の女性向けのコミュニティといったところでしょうか.テクノロジー分野に所属していたり,興味のある女性は誰でも参加できます.日本だと女性が極端に少ないテクノロジー分野ですが,ここには世界中の様々な分野の女性が所属していて,技術やキャリアなどについて相談したりできる大変ありがたいコミュニティです. 

このGoogle Women Techmakers(通称WTM)が行なっているプログラムの一つが,Google Women Techmakers Scholarshipです!Scholarship(奨学金)なのでとりあえずお金がもらえます!(やったー)

個人的な所感ですが,この奨学金には,奨学生がこれからのテクノロジー分野を引っ張っていく女性のロールモデルになるきっかけになってほしい,といった願いが込められているような気がしています.

奨学金の応募方法や応募資格,応募するにあたってのアドバイスは同じく今年の奨学生であるあかりさんが記事にしてくれるらしいので,ここでは大幅に割愛します.

さて,ここからが重要です.

無事奨学生に選ばれたとき,こんな連絡がきました.

As a scholar studying in Japan, you will be receiving a scholarship and an invitation to the Scholars’ Retreat on August 29th - September 1st hosted by Googlers at Campus Seoul, Korea!
(日本の奨学生として,奨学金がもらえて,8月29日~9月1日に韓国のGoogleで行われる奨学生の集まりに招待されるよ!)

んんん?Retreat?なにそれ??

応募するときはなんかお金がもらえそう!というモチベーションだったのでこんなのがあるなんて全く知らなかったのですが(小声),どうやら韓国に連れて行ってもらえるらしいのです!タダで韓国に行ける〜ということで二つ返事で参加することにしました. 

ここからが私の素晴らしい経験の始まりです.とはいえ,この時の私は「Googleが無料で韓国に連れてってくれるイベント」としか思っていませんでした.

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APAC Women Techmakers Scholars' Retreat 〜行く前編〜

まず,「APAC」ってなんやという疑問にお答えすることにします.説明を飛ばしていましたが,応募時に応募先が

  • North America
  • Europe, the Middle East and Africa
  • Asia Pacific

の三つに分かれていました.日本はAsia Pacificに含まれるのでここから応募したわけです.したがってこのRetreatはAPAC(Asia Pacific)用のものということになります.

さて,出発が近づくにつれていろんな連絡が流れてきました.関係者だけが閲覧できるウェブサイトがあって,そこには

  • 滞在するホテルはソウルの高級ホテル(!)
  • 参加する奨学生一覧
  • 参加するGoogler(Google社員)の一覧
  • Retreatの予定表
  • 空港からホテルに行くバス停までの道のり(超親切)

など必要な情報が丁寧に書いてありました.もちろん飛行機も取ってくれました.

また,Facebookグループ作ったから入ってね!という連絡も来て,(そこはGoogleプロダクト使わないんだ笑)とかいうツッコミはさておき,コミュ力高めの人たちは

"Hey girls! My name is XXX. Really looking forward to seeing you!"

みたいな投稿をしたりしてました.

さらにホテルでのルームメイトも事前に知らされていて,皆ルームメイトは別の国からの奨学生になるように考慮されていました.

さあ出発です!

APAC Women Techmakers Scholars' Retreat 〜0日目〜

情報系っぽく0日目から数えましょう.

たまたま前から知り合いだった数人以外全く知らない人たちに会いに行くのと,1人で海外に行くのは初めてだったので,不安とわくわくが半々の気持ちで日本を旅立ちました.

たまたま飛行機で隣に座っていた子が同じく奨学生だったというサプライズもありつつ,ホテルにチェックインして素敵な部屋で少しゴロゴロした後,ディナーの時間になりました.ホテルのロビーに行ってみると,そこにいたのはいろんな国から来た奨学生たちでした.その数なんと,Asia Pacificの13ヶ国から集まった70人です!!

13ヶ国とは,オーストラリア,バングラデシュ,中国,香港,インド,日本,ニュージーランドパキスタン,フィリピン,韓国,シンガポールスリランカ,台湾.

しかも,今シンガポールに留学中のアメリカ人とか日本に留学中のブルガリア人とか,留学中で参加している人も多く,国籍でいうともっとたくさんの国から集まっていました.

特にインド人やバングラデシュ人には私は今まで全く会ったことがなく,とても新鮮でした.

服装も顔も,話し方も,全然違うけれど,テクノロジー分野で学ぶAPACの女の子という共通点がある子たち.

日本では味わったことのないDiversity(多様性)のすごさに圧倒されつつ,ディナーになりました.ディナーを食べ終わった頃にGooglerが言い出したことは,

"Let's do KARAOKE!!"

最初は勇気のある数人しか歌いたがらなかったのに,だんだんみんな歌いたくなって来て,しまいにはテーブルで聴いている人よりカラオケ順番待ちの方が多くなるくらいになりました笑

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最後の一曲は韓国のGooglerがかの有名な江南スタイルを踊ってくれるサプライズ.みんなも一緒に踊って大盛り上がりでした.

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そんな最初から刺激強めな0日目.メインのプログラムは翌日からです.

APAC Women Techmakers Scholars' Retreat 〜1日目〜

朝はホテルのロビーで集合して,バスでGoogleオフィスに向かいます. オフィスに着いてから最初にやることは,朝ごはんを食べること!朝ごはんは社食ではなく,ケータリングでした.

朝ごはんを食べたら,毎朝アイスブレイクの時間がちょこっとあって,そこではK-POP大好きなGooglerが可愛いダンスを教えてくれました.

この後は毎日様々なセッションが用意されています.この日はGooglerのパネルディスカッションがあったり,チームに分かれて自分の成功体験・失敗体験をシェアするセッションがあったりしました.

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その中でも特に印象に残ったのは次のセッションです.

CS Unplugged

「CS Unplugged」は,「ケーブルを繋がないコンピューターサイエンス」つまり「コンピューターを使わないコンピューターサイエンス」のこと.コンピューターサイエンスの基本的な考え方ってコンピューターがなくても学べるよね!という企画です.コンピューターを使うとどうしても難しくなってしまうのですが,基本的な考え方とかなら小学生くらいの子にも教えられますよね.

このセッションでは,どういう企画なのか聞いた後に,3人1組になって紙飛行機飛ばし合戦を行いました.1人が紙飛行機飛ばす係で,後2人が紙飛行機を折る係.床に線が2本引いてあって,片方の線から投げてもう一方まで飛ばせたら1ポイントゲットで,時間内に一番多くポイントゲットしたチームの勝ちです.みんな必死(笑)になって折ったり投げたり,熱い戦いになりました.

ここでコンピューターサイエンスがどう関係してくるかというと,紙飛行機を折るにあたって,

  • 折る回数はなるべく少ないほうがいい
  • 簡単に折れるほうがいい
  • よく飛ぶ紙飛行機がいい

などなど,勝つための工夫をするには自然と折る手順を最適化する必要が出てきます.これってコンピューターサイエンスに必要な考え方だよね!というお話です.

楽しくてかつ実は頭を使って勉強になる,そんなセッションでした.

 

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1日目のセッションが終わった後は,みんなでディナーへ.毎日素敵な韓国料理のお店に連れて行ってもらいました〜

APAC Women Techmakers Scholars' Retreat 〜2日目〜

この日はGoogleではインターンシップや教育プログラムがこんなのがあるよ〜といった紹介や,WTMのメンバーとしてGoogleはこんなサポートをするよ〜といったお話がありました.

またGoogleが運営しているプログラミングコンテストであるCodeJamの紹介もあり,実際にその場でコンテストを行ったりしました!これもまた熱い戦い.

code.google.com

この日の印象に残ったセッションは次のものですね.

先輩奨学生のお話

今回のRetreatには,以前奨学生だった先輩方が何人か参加してくれていました.その中でも日本からの奨学生だったゆずさんのお話がとっても印象的でした.

WTMに参加するに当たって,自分はここにいるのに値しないのではないか,私がロールモデルになんてなれるのだろうかと思っていました.けれどそうではなく「私がロールモデルなんだ.私がロールモデルにならなければならないんだ」と気づいたんです.そこで,できることから始めようと思い,女性エンジニアの生の声を聞いて身近に感じてもらえれば,とPodcastを始めました.今ではたくさんの人が聴いてくれて,大きな反響を得ています.

にゃにゃにゃラジオ

にゃにゃにゃラジオ

  • ゆずちんさん(@rubberyuzu)
  • テクノロジー
  • ¥0

私もWTMに参加した時は,こんなところにきて場違いではないだろうかと思っていました.しかし,以前は私と同じように思っていた歳の近い先輩が行動を起こしているのを見ると,私にもできるかも,いや頑張らなきゃなと思ったのでした.

"I AM a role model. I SHOULD BE a role model."

"Just start. Quantity is more important than quality. If you continue to do it, quality follows."

といった力強い言葉,かっこいいですね.

 

私は都合によりみんなより1日早く帰宅しなければならず,この日の夜が私の韓国最終夜でした.たまたまディナーの後に一緒に遊んでいた友達がそれを気遣ってくれて,楽しい所に行こう!とみんなで一緒に韓国のスパに潜入しました!スパにはたくさんのお風呂とサウナがあり,つい数日前に会ったばっかりの友達ときゃっきゃ言いながら深夜まで遊んだのはとってもいい思い出です.

APAC Women Techmakers Scholars' Retreat 〜3日目〜

あっという間に早くも最終日です.

この日はあまりセッションはなく,Googlerによる模擬面接や履歴書の書き方のセッションのみでした.

そこからWTMのTシャツをもらってみんなで記念撮影.みんなとってもいい顔してる!

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そのあとはソウル観光!それもただのソウル観光ではありません.ソウルの観光名所やアクティビティ一覧を渡されて,そこにはそれぞれにポイントが付いています.チームに分かれてポイントを獲得し,一番ポイントが多かったチームの勝ち!というもの.どうやってポイント獲得を確認するかというと,自撮り棒で撮ったチーム全員が入っている写真を,付き添いのGooglerにメールを送ってもらうという形式です.結構本格的.アクティビティは,

  • トッポギを食べる
  • お昼ご飯を食べる
  • 電車・バスに乗る

とかだった気がします.私のチームは,写真を撮るたびに知らない人に話しかけて,「一緒に写真撮ってください!!」とお願いするというなかなかクレイジーなことをやっておりました笑

写真を撮ってくれた人が途中までバスの案内をしてくれたり,電車で寝ていたおじいさんが快く一緒に写真を撮ってくれたり,ソウルの街ゆく人々の優しさに触れることができました.

私はここでみんなとお別れで,後ろ髪を引かれながら帰路につきました.

Retreatで得たもの

ここまでいろいろなアクティビティや経験のお話をしてきましたが,私にとって一番大きかったのは,ずばり「奨学生の仲間たち」です.

日本の大学にいるとやはり女性は少ないなと思う機会はまだまだ多いです.その中で彼女たちと出会って数日間一緒に過ごして,私にはこんなに優秀で心があたたかくてエネルギッシュな仲間がたくさんいるんだということがとても感動的でした.

今回参加していた奨学生たちは,学部生・修士過程・博士課程と専門性も様々で,年齢も20代から40代まで,中には結婚してる人や子どもを連れて来ている人までいて,様々な人がいました.色々な境遇の彼女たちがそれぞれ自分の場所で頑張っている.私も負けてはいられませんし,こんな頼もしいことはありません.

Retreatの後も日本にくる機会があれば必ず連絡をくれて,すでに数人と日本で再会しています.これからもずっと機会があれば連絡とって会ったりするんだなと思うと,これは私の財産だなとしみじみ思います.

 

ここまで長々と読んでくださった方,ありがとうございます.今年の夏の素敵な経験を少しでもお伝えできていれば幸いです.

そしてテクノロジー分野の女性の学生のみなさま!!応募して損はないと思います.英作文書くのはちょっと大変ですがぜひ応募してみてください.